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『さよなら絶望先生』第十七集巻末描き下ろし漫画「罪期の家」:感想

2009年5月15日に発売された『さよなら絶望先生』第十七集の巻末に、3ページに渡って巻末漫画「罪期の家」が掲載されています。その感想を記しておきたいと思います。



巻末漫画のタイトルは「罪期の家」。元ネタは、画風からすると平田研也さん文・加藤久仁生さん絵の短編アニメ・絵本『つみきのいえ』でしょう。


つみきのいえ
つみきのいえ (pieces of love Vol.1) [DVD]

以下、感想を綴っていきます。

    ・157頁



・157頁3・5・6コマ目 久米田先生の自画像がえらいことに……ついに、地丹くんみたいな禿頭表現がついてしまいました。

以下、落ちた筆記具を探しに潜っていくのですが、潜るたびに過去のトラウマに直面する、という筋書きです。もちろん、潜るのは自分の意識の深層、過去の記憶の中です。

    ・158頁



・158頁5コマ目 2004年当時に潜っています。2004年といえば『かってに改蔵』の連載が終了した年です。アマゾンさんにも26巻の表紙画像が帯つきで残っています。
かってに改蔵 (26) (少年サンデーコミックス)

この帯にあるように、誰がどう見ても唐突な連載終了でした。

棚にはサンデーの他、当時出た『かってに研究しやがれBOOK』や「かってに改蔵クッション」、「地丹プルプルぬいぐるみ」などが置いてあります。カレンダーは連載が終了した7月のままです。×の連続の後、○が連続しているのが……



・158頁8コマ目 なぜか『かってに改蔵』2巻が!
かってに改蔵 (2) (少年サンデーコミックス)

とにかく、この作品のタイトルを目にしてしまいます。

・158頁9コマ目 打ち切りを宣告された時のことが脳内に蘇り……

・158頁10コマ目 たまらずさらに下=過去に潜っていきます。この時点ではもう最初に落とした筆記具のことなど念頭から消え去っています。




    ・159頁


・159頁1コマ目 1994年当時に潜ってきました。改蔵打ち切りの10年前です。

本棚にはサンデー増刊(サンデー超)が並んでいます。当時久米田先生はある作品を連載されていました。

・159頁2コマ目 こちらの本棚には『太陽の戦士ポカポカ』『ルーパラ』(←『ルートパラダイス』)と並んで、目に付く単行本があります。それは……


・159頁3コマ目 『育ってダーリン!!』でした。先ほど言及した連載されていた作品がこれです。このコマにあるのは1巻の表紙です。
育ってダーリン 1 (1) (少年サンデーコミックス)

しかし、いつまでたっても2巻が出ることはありませんでした。96年6月号まで掲載された後、連載自体が6年近く中断されてしまったからです。結局、2002年に、当時週刊サンデー上で連載されていた『かってに改蔵』を一時中断し、19号・20号に完結編を掲載した上で、新装A・B巻の全2巻として改めて単行本化されました。


・159頁4・5コマ目 いたたまれなくなって、さらに過去に潜っていきます。こんどは「南国」の世界に……

・159頁8コマ目 『行け!!南国アイスホッケー部』の単行本が棚に並んでいます。ワイド版ではなく、新書版(通常のコミックス)の方です。


・159頁10コマ目 11巻の表紙です。
行け南国アイスホッケー部 11 (11) (少年サンデーコミックス)

・159頁11コマ目 カバー表見返しに「半ケツ」を出した先生が! これは、実際には「南国」10巻のカバー裏見返しに載っています。

・159頁12コマ目 いずれも「南国」のカバー見返しに登場する先生です。

右は13巻カバー裏見返しのポーズ。左は2・4巻などのカバー見返しに登場するお面でして、大事な部分を隠すのに使用しておられました。


このわずか3ページなのに充実したマンガの一連の流れは、まさに過去のトラウマを1つずつほじほじしていくことでかえって泥沼にはまり込んでしまうくという、フロイトに挑戦する試みであろうかと思います。文学の世界で同様の試みをしているのが、筒井康隆さんの短編「鍵」です(『バブリング創世記』所収)。(あるいは川端康成文学賞を受賞した長編『夢の木坂分岐点』も関連するかも……)興味ある方は読み比べてみることをオススメします。




(註:『バブリング創世記』の文庫版には、単行本に収録されている「上下左右」が収録されていないので、ここでは単行本のAmazon窓を貼ってあります)




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